こんにちは!
あなたはヨーロッパで国境越えの経験をされたことはありますでしょうか。
ヨーロッパ周遊ツアーのときはバスでの移動が一般的。もしも複数国訪問の行程になっているとしたら、陸路での国境越えとなりますよね。
私もヨーロッパにおいて何十回と経験してきていますが、いまだに国境を越える時にワクワクしてしまうのは、島国日本に生まれ育ったからなのでしょうか。非日常的なことですものね。
しかし国境には線引きがあるわけでもなく、ただただ看板を通り過ぎるだけ。あっけなく済んでしまうのが儚いところなんです。
本日はヨーロッパのあっけない?国境越えと、ヨーロッパへ航空機での入国の際、または現地でレンタカーを運転される時にも必要な知識であると思われる、「シェンゲン協定」についてのお話です。
ヨーロッパへ入国の際、レンタカー運転時にも知っておきたいシェンゲン協定とは?
協定国間の国境規制廃止にともない出入国の緩和を目的として1995年3月施行されたものです。
ルクセンブルクのシェンゲン村で調印されたので、この村の名前が付いています。
ヨーロッパでは「シェンゲン協定」に加盟する国々での国境管理を廃止して、シェンゲン領域外から域内に入る渡航者に対し、共通のビザの発給基準を定めています。
日本のパスポート保持者なら、シェンゲンビザの取得は必要ありません。
例えば、航空機での入国なら
航空機でのシェンゲン領域内の移動の場合、下記のような例をあげてみました。
フィンランド航空機を利用し、スペイン周遊のツアーに参加したとしますね。
EU圏への入国審査は最初に寄港するフィンランドのヘルシンキで行われるため、スペインでは入国審査はありません。
フィンランドもスペインもシェンゲン協定加盟国だからです。(詳しくは後述)
復路はスペインでは出国審査はなく、最終寄港地のヘルシンキで出国審査となります。
★スペインの国のスタンプをパスポートに欲しいと期待されても
このケースでは、フィンランドのスタンプが出入国のものとして押されることになりますよ。
陸路での入国なら
シェンゲン領域内でツアーで使用する貸切バスやレンタカーなどの車による国境越えの際は、かつては国境に税関の建物があり、そこで出入国審査を受ける必要がありました。
またユーロが導入される前は入国する国の通貨への両替も、国境の銀行で用意したものでしたよ。
現在はストップすることもなく、ただ画像のように看板を通り過ぎるのみで、とてもとてもシンプルになりました!
あっけないという感じすらあるんです(笑)
島国に暮らす日本人だからなのか、もっと国境越えはドラマチックであって欲しいと私は思ってしまうのです、どうしても。
では、シェンゲン協定加盟国はどこの国々なのでしょうか。
シェンゲン協定加盟26ヶ国とはどこの国?
EU加盟国の中のシェンゲン協定加盟22ヵ国
オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スロヴァキア、スロヴェニア、スペイン、スウェーデン
欧州自由貿易協定(EFTA)加盟4ヵ国
アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス
以上の合計26ヵ国がシェンゲン協定に加盟。
シェンゲン圏内のビザ無し滞在期間はどのくらい?
日本のパスポート保持者なら
日本のパスポート保持者なら、シェンゲン圏内に短期間の観光や出張などで滞在の場合、
「あらゆる180日の期間内で最大90日間」は
ビザ無しでの滞在が許可されています。
ただしシェンゲン領域からの出域日から、3ヵ月以上の残存期間がパスポートにあることが条件です。
ちょっと話がズレますが、私達ツアコンは月に2回ほどシェンゲン圏内へ渡航しますので、すぐ「最大90日間」の枠を超えてしまうんですよね。
そのため、シェンゲン圏外への業務も以前よりは増えています。
ところで、シェンゲン圏内の国境の街の住民には、国境に住んでいるからこそのメリットがあるんですよ。
国境の街に住んでいる人々のメリットとは?
シェンゲン領域内の市民で国境に住んでいる人々は、同じ商品でも国によって値段が変わりますので、よりお得に買える「隣の国」へお買い物、なんてことも日常的にできてしまうわけですね。
例えば、
ガソリンに関しては南部ドイツと国境を接しているオーストリアの方がお得なんです。
「ロマンティック街道・スイス・パリ8日間」という定番のツアーではロマンティック街道の終点にある、ドイツ観光のハイライト「ノイシュバンシュタイン城」の観光後バスはスイスに向かいます。
スイス入国前にほんの30分程オーストリア国内を走るんです。ドライバーさんはたいていここでガソリンを入れるのですね。
オーストリアも言語はドイツ語ですし、国境付近の住民にとってもこれはとても便利なはずですよね。
陸路での国境越えは非日常的
四方を海で囲まれた日本から他の国へ行くには、歩いて行くことはできないわけですから、航空機か船の利用が必須。または長距離泳ぐ?(笑)
いずれにしても、事前に交通機関の予約など何らかの準備が必要となりますね。
一方陸続きのヨーロッパでは隣の国(外国)へ行くということはそれほど特別なことではなく、もしも国境の街に住んでいるなら隣の国まで歩いても行けてしまうわけです。
EU市民は原則的に「シェンゲン協定」に基づき、パスポートなしで自由に行き来ができてしまうのですから。
とても羨ましいことですよね。
それもいいのですが、やはり私は「出入国審査のある国境を越えて異国の地へ渡る」あのワクワク感がたまりません。
旅はなんてったって非日常を味わうものですものね!
あなたはいかがでしょうか。