こんにちは!
寒さも厳しい季節になると、スペインのバルセロナを中心とするカタルーニャ地方では「カルソッツ 」というネギが冬期限定でレストランに登場します。
本日は、スペイン全土ではなく、カタルーニャ州のみで食されている「カルソッツ」とは何のことなのか、そしてそのユニークな食べ方などについてのお話しです。
カルソッツはカタルーニャ州の冬の風物詩
「カルソッツ」とはネギのことで、ネギの炭火焼き料理を「カルソターダ」といいます。
調理法はいたってシンプルで、ネギを豪快に炭火で真っ黒になるまで焼いたものなんです。
スペインの北東部地中海沿岸の地方カタルーニャ州で食される冬季限定の名物料理なんですよ。
寒い時期の11月~3月頃までの冬の風物詩。特にネギが最も美味しいのは2月で、太さも一番立派になります。
カルソッツ祭りのバイス村
カルソッツに使われるネギの産地にして発祥の地が、タラゴナ県バイス村。バルセロナから100kmほど南下したところです。
このバイス村では、毎年1月の最終日曜日に「カルソッツ祭り」が開催され、カルソッツのヒガンテのパレードも行われます。ヒガンテとはカタルーニャ地方伝統の巨人人形のこと。
実は長ネギではなく玉ネギ?!
驚くことに「ネギ」はネギでも、バイス村特産の「ネギ」は実はもともと玉ネギなんだそうですよ。
玉ネギって長い期間放っておくと、先の方から芽が出てどんどん伸びていきますよね。確かに伸びたところは長ネギのようだと思われませんか。
その芽を長く伸ばし育てたのがカルソッツに使われる「ネギ」であり、バイス村でしか生産されない珍しいものなのだそうです。
そのため遠くからもわざわざネギを求めて訪れる方も多いとか。
カルソッツは週末に友人や親戚などが集まるときのパーティ料理として人気のようですよ。
伝統的な調理法はぶどうの枝を使用
カルソッツの伝統的な調理法はぶどうの枝の上にネギを直に置いて焼くこと。その後は新聞紙で包んで蒸すのだそうです。
炭火で真っ黒になるまで焼くだけのシンプルな調理ですが、真っ黒になった皮をむくと、とろっと甘くジューシーで素材の味そのものを楽しむことができるんです。
そして定番は「ロメスコソース」をつけること。トマト、オリーブオイル、地元特産であるアーモンドなどで作られます。
ロメスコソースの香ばしさが加わると、何本でもいけてしまうんですよ。
カルソッツの食べ方もユニーク!
さて、カルソッツの食べ方なのですが、これがとってもユニークなのです。
注文すると、使い捨てエプロンと手袋を持ってきてくれます。
手袋をはめて、こんがり焼かれたネギの皮をむいて食べるんです。フォークもナイフも使いません。手袋をはめた「手」だけです!!
【食べ方】
- ネギの緑の部分を持ち上げて、
- こんがり焼けた外側の皮を、下を押さえて引き抜きます。
- ツルンとした真っ白なネギが現れます。
- ロメスコソースを付けたら、ネギを顔のところまで持ち上げて、顔を上に向けて、パクリ!
ネギを口に入れた瞬間の画は、まるで「釣り上げられた魚」という感じですよ(笑)
下品じゃないんです。安心なさって下さい。そういう食べ方なのです。
カルソッツは前菜
カルソッツは材料のネギのことで、その炭火焼き料理を「カルソターダ」といいます。
カルソッツはレストランでは前菜としての位置づけで、その後に肉料理のブティファラがセットとなっているところが多いです。
ブティファラとはこれもカタルーニャ州特産の松の実入りのソーセージのこと。
日本の方にはボリュームが多すぎるかもしれませんので、カルソッツ単品での注文がおすすめです。結構カルソッツだけでお腹いっぱいになりますよ。
画像↑2枚とも1人前です。
11月~3月ころの冬季限定のネギ料理。しかもカタルーニャ州以外では食されない珍しいもの。
この時季にカタルーニャを訪問される際には、寒い日に身体を温め風邪の予防のためにも、ぜひ冬の風物詩を召し上がってみてくださいね。
バルセロナ市内のレストランのどこでも提供しているわけではないですので、3軒ほどリストアップしておきます。
◆Balmes Rossello(バルメス・ロセジョ)
カタルーニャ料理のレストラン。
タパスなど美味しいです。
住所:Carrer de Balmes, 129, 08008 Barcelona
◆Ciutat Condal(シウタット・コンダル)
タパスなど美味しいです。
カタルーニャ広場のすぐ近くです。
住所:Rambla de Catalunya, 18, 08007 Barcelona
◆L’Antic Forn (ル・アンティック・フォルン)
炭火焼きレストラン。
旧市街のサン・ジュセップ市場の近くです。
住所:Carrer del Pintor Fortuny, 28, 08001 Barcelona
実際に行かれる際には、店舗が存続しているかどうか確かめてくださいね。
日本のご家庭でもカルソッツ
しかし最近はなかなかスペインへお運びいただけない現状ですよね。そこで、日本のご家庭でも簡単に、魚焼きグリルで作るレシピを紹介!
【カルソッツレシピ】
- 魚焼きグリルで長ネギを強火で全表面を真っ黒になるまで焼く。
- 焼けた黒い皮をむく。
ロメスコソースのレシピは各レストランや家庭によってそれぞれ違いがありますが、ナッツをいれることは同じです。コクのある香ばしいソースになりますよ。
【ロメスコソース材料】
- アーモンドスライス 50g
- 松の実 10g
- ニンニク 1かけ
- トマト水煮 100g
- パプリカ 1/2個
- パプリカパウダー 小さじ1
- レモン汁 小さじ1
- タバスコ 少々
- 胡椒 少々
- 塩 小さじ1/2
- オリーブオイル 大さじ2
【ロメスコソースレシピ】
- アーモンドと松の実をオリーブオイルで炒める。
- パプリカはグリルで焼いて皮をむく。適当な大きさに切る。
- フードプロセッサーに全ての材料を入れて混ぜる。
ご自宅でもできる食の世界旅行。
カタルーニャ名物料理の味をぜひ試してみてくださいね。
カタルーニャ名物料理の味をぜひ試してみてくださいね。