こんにちは!
クリスマスシーズンのヨーロッパは、1年の中でもとても華やかな雰囲気に包まれます。
クリスマスの1ヶ月くらい前から、街にはイルミネーションがきらめき、とてもロマンティック。
しかし、クリスマス当日は、前日までの賑わいとはうってかわって、1年の中で最も静かになる日なんです。
ヨーロッパの人達はクリスマスには家族一緒に過ごし、また遠くに家族があれば帰省するため、街中はがらんとしてしまうんですよね。
一般的には24日の夜に家族が集まり、ごちそうを囲みお祝いをします。
クリスマスはいつからいつまで?
クリスマス当日は、ほとんどのお店は閉まってしまうため、旅行者の方にとってはちょっぴり淋しい日(笑)になるのかもしれませんね。
レストランも閉まるところが多いのですが、ホテルレストランなら開いていますよ。
ちなみにクリスマスは24日の日没から25日の日没までです。
本日は私がイギリス留学時代に経験した、イギリスの典型的なクリスマス料理について、お話ししてまいります。
クリスマスにご馳走をなぜ食べる?
まずその前に、クリスマスにはなぜごちそうを食べてお祝いをするのでしょうか。実はあるお祭りが基になっているようです。
キリスト教が広まる前は、冬至(毎年12/21か12/22)、つまり1年の中で1番昼間が短い日に、太陽の光を呼び戻すためのお祭りが行われていたそうです。
そして12月25日頃に、その「願いが叶った」ことを祝うためにごちそうを食べていたそう。それをキリスト教の祝典として受け継いで、今でもごちそうを食べる習慣が残っているのだそうですよ。
クリスマス料理を目の前にクラッカーを鳴らす!
それから、イギリスではごちそうを食べる前に、定番のあることをします。それはクリスマスクラッカーを鳴らすこと。
クラッカーといえば日本では円錐形のものですが、イギリスではくるくるっと両端がねじってあるキャンディの包みのような形をしています。
片手でそのクラッカーの端を持ち、もう片方の手でお隣さんの持っているクラッカーの端を持ち、みんなで輪になります。掛け声で一斉に引っ張り合うと、パンッという音とともに、中から紙の王冠やなぞなぞが書いてある紙、おまけなどが出てきます。
王冠はクリスマス料理の食事中は欠かせない被りものなんですよ。
イギリスのクリスマス料理の定番メニュー
さて、クリスマスのごちそうはというと、各家庭でそれぞれに伝統と習慣があるようですが、前菜、メインディッシュ、デザートという流れが一般的。
前菜は私がいただいたのは、プラウンカクテル(エビのサラダ)でした。そしてメインディッシュはローストターキー(七面鳥)。
イギリスでは日曜日のお昼に家族が一緒に食べる、「サンデー・ロースト」なる食習慣があります。
- ローストビーフ
- ローストポーク
- ローストラム
- ローストチキン
のいずれかを日曜日のお昼に作り、その家のお父さんが家族みんなに切り分ける、というもの。
そんなロースト料理が根付いている国ですから、クリスマスにも「ロースト◯◯◯」がメインとして登場というわけです。
普段のサンデー・ローストには高価であるため登場しない、ガチョウやターキーがクリスマスのロースト料理に使われるんですね。
付け合わせのお野菜は、玉ねぎ、にんじん、パースニップ(画像↑)、ズッキーニ、パプリカ、芽キャベツなどをじっくりとローストしたものです。
パースニップとは「白にんじん」のことですが、これは日本ではなかなかみかけないお野菜ですね。見た目はまるでにんじんですが、にんじんとサツマイモを掛け合わせたような味。私はこれが大好きです。
芽キャベツはクリスマス料理に必ずそえるのが伝統。寒さが厳しいこの時季に不足しがちなビタミンが豊富だからなのだとか。
イギリスのクリスマス料理の定番デザート、クリスマスプディング
そして次のデザートはクリスマスプディング。
日本のフワフワスポンジの生クリームたっぷりなケーキとは全く違います(笑)
クリスマスプディングとはどんな味かというと、近ごろ日本でよくみるドイツのクリスマス菓子シュトレンをもっとしっとりと蒸したような感じです。
ドライフルーツ、ナッツ、スパイスなどを混ぜ合わせ、1ヶ月ほど寝かせて発酵したものを蒸したもの。ずっしりした重さがあり、見た目は真っ黒ですよ。
日本の典型的ないちごの生クリームのクリスマスケーキが真っ白で「天使」なら、クリスマスプディングは真っ黒で「悪魔」?!(笑)
クリスマスプディングを切る前にコインをひとつ入れ、ブランデーをかけて火を付けるフランベをします。切り分けたときにコイン入りが当たった人はラッキー!
締めくくりはチーズ
そして最後はチーズです。
イギリスでは甘いデザートのあとのしめはチーズなのです。イギリスは酪農の国でもあり乳製品が美味しいんです。意外に知られていないかもしれませんが、チーズの種類も豊富。
イギリスを代表するものではチェダーですね。他にはスティルトン、グロスター、レスターなど。
以上が典型的なイギリスのクリスマス料理です。
クリスマスのごちそうをイブの夜にするか、25日のお昼にするか、ご家庭によってさまざまなようですね。
25日のランチタイムの後には、エリザベス女王さまのスピーチを聞く、というのがイギリス人には通例なんです。
ヨーロッパ人にとってのクリスマスは、日本人にとってのお正月なんですね。
話は変わりますが、私はクリスマスケーキをいつも手作りしています。2021年の作品はこれです。
どうぞ素敵なクリスマスを!