こんにちは!
今日はポルトガルのドース doce の第2弾
1つ目は「オヴォシュ・モレシュ」
甘いポルトワインで有名なポルトから
約1時間のところにアヴェイロという
運河の素敵な町があります。
そこの名菓が「オヴォシュ・モレシュ」
やわらかい卵という意味。
最中のようなウェハースの中には
ツヤッツヤの卵黄の餡が入っています。
ねっとりしているその餡は
卵のしっかりしたコクとその風味が
フーッと鼻に抜けていきます。
これまた日本ではなかなか食べられないものですよ。
アヴェイロは漁業が盛んな町
アヴェイロは漁業が盛んな町で、
町の名菓も魚介の形をしていて、
とってもかわいいんですよね。
この「最中」の見た目も味もそうですが、
紙製の箱もとってもシンプルで
その素朴さがまたいいんですよー!
私はよくこれをお土産に購入していました。
皮は湿気りますが餡は日持ちがしますので、
味もいいし、見た目もかわいいし、
すごく好評でしたよ。
素朴な名菓
昔は最中の皮が合わさった部分から
はみ出した余分なところを切り落すこともなく
そのまんまの姿で出されていたのです。
細かいことは気にしない、そのおおらかさが、
お土産に差し上げたときの、
話のネタになったものでしたが、
最近はきちんと整えているみたいですね!
あの素朴さが良かったのですけど(笑)
残念ながら画像がないので、
下記HPでその姿をご覧になってみてください。
【Confeitaria Peixinho(金魚菓子)】
このドースを産んだ
元祖のお店といわれています。
https://www.confeitariapeixinho.pt/como-conservar-ovos-moles/?lang=en
ポルトガル菓子でよく使われる「卵の餡」
前述の「卵の餡」ですが、
ポルトガルのドース doce にはよく使われているものです。
これを「ドース・デ・オヴォシュ」といい、
「甘い卵黄」という意味のクリームです。
卵のクリームといったら、
カスタードクリームだと思いますが、
それとは全く食感も味も違って、
卵黄の味と風味がダイレクトに伝わってくるものです。
材料も至ってシンプル。
卵黄にグラニュー糖のシロップと
時にはコーンスターチを
加えるだけという。
余計なものは加わらないので、
いわば『卵の勝負餡』といったとこでしょうか(笑)
2つ目は「パン・デ・ロー」
日本でもお馴染みのカステラの元祖は、
ポルトガルのドースというのは周知のとおりです。
「パン・デ・ロー」
これがカステラの原型といわれています。
16世紀中期に宣教師が長崎にポルトガルの
伝統的なドースを伝えたと言われています。
パン・デ・ローは大きく分けて、
- スポンジのように全体がしっかり焼き上がっているタイプ
- 中が半熟でしっとりしたタイプ
の2種類です。
ポルトガルの国中どこへ行っても
パティスリー、スーパーなどでみるものは、
1番のタイプです。
日本のカステラのようにリッチな味とは違い
あっさりとシンプルなスポンジケーキといった感じです。
ポルトガル人は前述のポルトワインと
一緒に食べる人が多いです。
ポルトワインは甘いデザートワインですから、
相性がいいですね。
このドースもやはり修道院で生まれています。
ポルトガル菓子はなぜ黄色いの?
ところで、ポルトガルのドースの色は
卵の「黄色」と焼き焦げの「茶色」
この2色だけ、というのがほとんど。
ではなぜ黄色なのか、というと
昔、修道院ではシーツなどにアイロンを
かけるとき、卵白を糊として使っていました。
卵黄ばかりが残るのをもったいなく思った修道女たちが
この卵黄を使ってお菓子作りを始め、
そういった文化が修道院で育っていった、
という説があります。
ポルトガルでは
「修道院で作られていた、ドーセの◯◯◯」
というのが本当に多いんですよね。
『身体にもいいものを』と
考えられているはずですから、
そんな優しい心遣いも感じ取れますし、
『お母さんが作ってくれたおやつ』に通じる
懐かしさをも感じ取れますよね。
子供は卵が好きですからね!
ポルトガルのドースは子供の頃に戻ったような
どこか懐かしい、そんな気持ちになるから、
華やかでもなく、洗練もされていないけど、
魅かれてしまうのかもしれません。